尹大統領に対する憲法裁判所の弾劾審判が2月25日に最終陳述を終え、来月中旬ごろに罷免の是非が決まる見込みです。一方始まったばかりの内乱罪をめぐる刑事裁判は今後も続きます。
その中で高まっている司法への批判と不信について、現地の状況をお伝えします。
違法に違法を重ねた尹大統領の逮捕劇
弾劾から起訴に至るまでの経過を振り返ってみると、様々な手続きが違法に行われたことがわかります。
そもそも高位公職者犯罪捜査処(以下公捜処)には内乱罪の捜査権が無いため、捜査自体が違法と言えます。
公捜処が捜索令状や逮捕令状をソウル中央地裁に請求して棄却されると、管轄権のない西部地裁に請求して発布されたことも違法です。
その際中央地裁で棄却された事実を隠蔽したことや、西部地裁が逮捕令状に刑事訴訟法の適用除外を勝手に付け加えたことも違法行為です。
逮捕の際は公捜処が大統領警護処の許可がないにもかかわらず、出入許可の書類を偽造して大統領官邸に不法侵入した疑いもあります。
公捜処は逮捕後も大統領の調査もできず、関連人物だけの不十分な捜査内容で西部地裁に再び拘束令状を請求しますが、西部地裁は「証拠隠滅の憂慮」という納得しがたい理由を挙げ、またもや令状を発布します。
さらには国会側が裁判を早めるため、弾劾の核心部分である内乱罪を削除して内容が大幅に変容した弾劾訴追案を、憲法裁判所がそのまま受け入れたことも法に違反しています。
それ以前に戒厳令は憲法で大統領に認められた権限であり、前提条件となる国家緊急事態であるか否かも大統領の判断によるという法曹界の見解もあり、内乱についても政権を倒そうとする勢力を指すため、最高権力者である大統領に内乱罪は当たらないという見方があります。
左派司法カルテルとは?
韓国の司法は今や法に従う機関と言えるのか疑問です。
以前から左派政権が送り込んでいた「ウリ法研究会」と「国際人権法研究会」の出身者たちが、最高裁判所・憲法裁判所・選挙管理委員会などの主要機関で左派カルテルを形成し、彼らの政治理念で法治をを動かしています。
左派には緩く、右派には厳しい偏向的な判決が下され、仲間には無罪や罪を軽くしたり、裁判を遅延させたりする反面、対立勢力には理不尽な運用を行ったり公平に扱わず、法の下の平等が脅かされています。
尹大統領が弾劾され裁判が進行する過程において、奇しくもこのような司法カルテルの実態が浮かび上がることになりました。西部地裁には令状を発布した判事を含めこのカルテルのメンバーが集まっており、大統領の憲法裁判にもこのカルテルの判事たちが布陣しているため、正当な判決が期待できるのかは未知数です。
彼らが利害関係でつながっていることが明らかになった今、国民は公正な裁判を信じることができなくなりました。それは国家の根幹を揺るがす法治の崩壊を意味します。
司法に対する国民の不信と怒りは頂点に達し、それが全国的な弾劾反対運動にもつながっています。
不正選挙疑惑と司法カルテル
不正選挙疑惑にも司法カルテルが大きく関与しています。
選挙訴訟は最高裁判所の単審制で、一度で終わる裁判のため慎重な審議が要求されます。
ところが最高裁は、選挙無効訴訟で見つかった偽造投票紙や様々な不審点を、詳しく調査せずに棄却しました。
また裁判を定められた期限内に行わず、選管委の弁明をそのまま採用し、証拠を提出しなくても追及せず、甚だしくは不正選挙の立証責任を、全ての証拠を持つ選管委でなく原告に負わせるという、現実的に不可能な判決を下しています。
先頃発刊された、弁護士4人の共著による「STOP THE STEAL 最高裁の不正選挙隠蔽記録」にはこれら内容が詳細に書かれており、現在ベストセラーとなっています。
選管委と裁判所の関係
選管委は中央・各地方ともに、委員長が全て判事出身という特異な構造があります。
現在進行中の大統領の憲法裁判も、判事のうち4名が過去に地方選管委員長を務めています。
選管委と裁判所は言わば利害を共にする共同体であり、選挙訴訟があれば仲間内を裁く構図となることが問題です。選挙無効訴訟で起こった数々の不可解な判事の行動や判決は、このことと無関係だと言えるでしょうか?
組織のトップを共有する現在の状態では、不正選挙の裁判が公正に行われるのか疑念を抱かずにはいられません。選管委と司法の癒着関係を早急に解体し、国民の選挙への信頼を取り戻すことが望まれます。
戒厳令を再生の機会に
尹大統領は最終弁論で、亡国的な危機状況を知らせることができただけでも、非常戒厳の目的を相当部分成し遂げたと思うと語りました。
しかしこのカルテルが力を持ったままでは韓国司法の信用は失われます。
先だって憲法裁判所の証人尋問では、関係者の陳述が二転三転したり事実と異なることが発覚し、大統領を弾劾する根拠となった証言の信頼性が揺らいでいます。
今回を機に、偏向した司法が公正に生まれ変わることを期待して止みません。